Do & Do
TDMC 1003
Produced by Toru Dodo
Released in 2012(Japan)/2013(USA)
Recorded at Park West Studios, Brooklyn, NY on April 2011
Personnel
Song list
Review
既成のものに捕われない自由な発想と清新なピアニズム------CD Journal 2012年9月号
1995年のバークリー音楽院留学以来、百々徹の滞米生活は今年(2012年)で17年目を迎えている。明治大学在学中から都内のジャズ・クラブに出演していたとはいえ、本格的なミュージシャン活動の場をニューヨークに据えている百々徹は、いわば「日系ジャズマン」である。
このアルバム『JAfro』は、元祖「日系ジャズマン」増尾好秋プロデュースの『DODO』以来(それ以前にバークリー卒業時の自主制作盤がある)5作目のリーダー・アルバムとなる。共演者は百々と同じくニューヨークを拠点に活躍する中村恭士(ベース)と小川慶太(パーカッション)で、「JAfro」はアルバムタイトルであると同時にこのユニットの名称でもある。
一世紀以上に及ぶジャズの歴史を振り返ってみると、その太い中心部にはアフリカン・アメリカンによる豊かな表現が位置しているが、もちろんそれが全てでもなければ、それだけが正統というわけでもない。ドメスティックな日本のジャズ・シーンに一定の距離を置きながら、ジャズの大通りを歩み続ける「日系ジャズ」の清冽な流れが脈々と存在していることの、このアルバムは最新の証明である。
これまでのアルバムと同じく『JAfro』も百々のオリジナル曲中心の構成になっている。バークリーを首席で卒業した百々徹の巧みな曲作りは相変わらずだが、ますます磨きのかかったピアニズムによって見事なジャズ・チューンとして再生された八代亜紀の「舟歌」とジョン・レノンの「ラヴ」も聞き応えのある名演だ。-------------ライナーノーツより